こんにちは。HiHi LABOのManamiです。
私たちHiHi LABOのイチオシアイテムといえば、こだわりのハンモック。
……ですが、皆さんはハンモックにどんなイメージをお持ちでしょうか?
山や海のレジャーで楽しんだり、リビングならソファー感覚でリラックスしたり……。
家の中でも外でも、ゆらゆら気持ちいい~!
と、私個人的にはこんなイメージがあるのですが、その歴史を紐解いてみると、え! そうなの⁉ と驚く使い方もされていました。
なるほど、実用面でも優秀ということなんだな、と納得。
ハンモックの形自体、原形とほとんど変わっていないのも興味深いところです。
というわけで、今回はハンモックのヒストリーに触れてみたいと思います。
ハンモックの歴史は古く、なんと「紀元前404年に発明されていた」という記述があります。
詳細は記されていないものの、「吊るすベッド」があったそう。
さらに11世紀の資料には、車輪付きのハンモックに乗るヨセフ(聖書に登場する重要人物)の絵が。これはまぎれもなく、私たちが知っているハンモックです!
(引用:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hexateuch,_Cotton_MS_Claudius_B_IV,_f._60r_(Ausschnitt_01).png)
続いて1,300年代には、イギリスの詩篇に「ハンギング ベッド」として明確な形で再登場。ここには布製のハンモックが描かれていました。
(引用:https://gracemine.org/2020/10/08/rescued-from-a-hammock/ )
一方、ハンモックは中央アメリカ、タイノ文化を持つアラワク族がルーツともいわれ、世界中に広がったのは、どうもこちらのハンモックのよう。
今から約1,000 年前のマヤ文化でも、寝具としてハンモックが使われていたことが確認されているそうです。
語源はアラワク語で「漁網」という意味の「Amaca(アマカ)」に由来し、それがヨーロッパに広がった後、ドイツ語では「Hängematte(ハンゲマッテ)」、オランダ語では「Hangmat(ハングマット)」(どちらも「吊るされたマット」という意味)となり、英語の「Hammock(ハンモック)」になった……という説が一つ。
また、初期のハンモックはハマックの木の樹皮を編んで作られていたため、「hamaca(ハマカ)」が語源という説もあります。
コロンビアの首都ボゴタにあるThe Museo de Oroに現存する西暦700~1500年の間に金のワイヤーで作られた、神様への奉納物としてのハンモック(引用:https://www.hamacama.com/en/history-and-origin-of-the-hammock/)
ハンモックを使っていたのは、アメリカの先住民たち。
彼らは眠る時、ベッドを吊るすことで、危険な動物や害虫、感染症などから身を守っていたといいます。
さらに中南米は高温多湿の地域ですから、宙に浮かすことで風通しがよく、快適に眠ることができたのだとか。
ハンモックは、まさに人々の生活の知恵から生まれたものなのですね。
そんな「宙に浮くベッド」を一目見て、これはいいね!と気に入ったのが、あのクリストファー・コロンブス。
歴史の授業でも覚えた1492年のこと。「人々が木の間の網で寝ていた」と探検日記に記し、さっそく自分たちの船に設置したのだそう。
ヨーロッパにハンモックを持ち帰り、やがて世界に広めたのです。
16 世紀半ばには、スペインとイギリスの海軍の船でもハンモックを採用。
HMS Bedford(1775) :船内でのハンモックのレイアウト(引用https://en.wikipedia.org/wiki/HMS_Bedford_(1775) )
この頃には素材も進化し、キャンパス生地になっていました。
湿っぽい床から浮いているので、衛生的。船の揺れと同じようにハンモックも揺れるので、落ちたりせず安心・安全・快適。使わない時はたためるのでスペースを有効に使える……という便利な「ポータブルベッド」として、ハンモックはあちこちで使われるようになったのです。
また戦時下では、固く巻いて縛ったハンモックを船の甲板に並べて、「盾」として使ったという記述も。
以降、ハンモックは船舶の乗組員の寝床として普及し、第二次世界大戦頃までは多く用いられていたようですが、揺れの少ない蒸気船が登場すると、段々と固定のベッドが主流になっていったそうです。
ちょっと意外なところでは、19 世紀後半、英国ではスペースとコスト削減のため、刑務所の簡易ベッドをハンモックに置き換えたとか。
(引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Marshalsea )
さらに、ハンモックは宇宙でも活躍していました! 1969 年 のアポロ 12 号打ち上げの際、NASA は宇宙飛行士が快適に睡眠できるよう特別なハンモックを考案。
クルーたちはそのハンモックで、ぐっすり眠ることができたといいます。
一見、とてもシンプルなハンモックですが、その実用性から様々な場面で利用されてきたのですね。
今では実用性に快適さがプラスされて、“日々を楽しく”してくれる存在に。
コロンブスも初めてハンモックに揺られた時は、きっと「気持ちいいな~」と思ったことでしょう……。
もしかしたら、最初はうまく乗れなかったかも……?
ハンモックにゆったり身を任せながら古のストーリーに思いを馳せてみると、また特別な時間が流れるような気がします。